私達のコーラス会

 
私の家から遠いのと、用事が重なって3ヵ月休んでいたOB会のコーラスに行った。横浜市にある市の施設で月一度やっている。70歳以上の会で会員が25、6人(男7人)いる。入会した時は一番の若手だったのだが、現在の私は上から6番目である。

以前は休み時間に、お茶を出して、ひな祭りやお月見の会と称し、お菓子やお弁当を一緒にいただくのを楽しみにしていたが、一年ほど前から施設の中での会食が禁止となった。

前から、今89歳の、昔先生をしていらした方が中心となって、司会をし、ピアノを弾き、合間に屈伸運動をリードして下さる。今もこの日の為に、毎日2時間くらいピアノの練習をされているそうである。

私達は「思い出の愛唱歌」という本を持っていているが、それ以外の歌はコピーされて出席者に配られる。母親が鼻歌で歌っていたのを覚えた大正時代の歌や、童謡、若い頃なじんでいた歌を歌う。



教室に行くと、その日の予定の曲目が12、3曲が黒板に書かれている。ピアノの伴奏に合わせ、皆の気に入った歌、例えば「鯉幟、夏は来ぬ、かあさんの歌」などは2、3回繰り返して歌う。だんだんと声が大きくなる。昔の童謡は情緒があって飽きない。

昔よく歌っていた「花」や「紅葉」「ローレライ」などの2部合唱は、何回かのアルトの練習で、高音低音が、きれいに合ってくる。学生の頃に還ったようだ。少し前から合唱団に所属している男性が入られたので、全体がぐっと引きしまった

子供の頃を思い出して、お正月には「年の初めのためしとて、終りなき世のめでたさを、松竹たてて門ごとに、・・・」と新年を祝い、
2月には、校長先生の畏まった姿を思い浮かべながら、紀元節の「雲に聳ゆる高千穂の、高根おろしに草も木も、なびきふしけん大御世を・・・」と歌う。意味も判らない頃から、昔はこんな格調高い歌を唄たっていたのだと感心する。

たまには「紀元二千六百年」や軍歌も混じる。この頃の歌は、特に良く頭に入っているので、皆の声も一段と大きい。戦争を好きとか、懐かしんでいるわけではない。運命に逆らえず、現在の世を見られなかった同年代の人たちをせめて思い出してあげたい。

最後に、夕焼けこやけを歌い、1時間半の集りは散会となった。

H18/08

 

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