年齢を感じた日


夜姉から電話があった。
「眼科の定期検診に行ったら左目が初期の緑内障なのが分り、強い薬を点眼している。
今まで、予兆はなかった」という。「あなたはこの頃、眼科に行っているの」と聞かれた。

私は60歳の頃、左目が見えなくなる眼底出血をした事があるが、レーザーで固めて治り、その後、白内障の手術をしたが調子がいいので、この2年間眼科に行っていない。明後日の金曜日はヘルパーさんが来られるので、早速、明日、病院に行くことにした。

この日は台風の余波で湿っぽいおかしな天気だったので、病院は空いていた。すぐ順番が来て検査して頂き、異常なしと言われた。早く終わったので、レストランで早めの食事をとり、バスで"新ゆり"へ行く。ヨーカドーを歩いて目に付く物を買っていたら大荷物となり車で帰った。


家に着いてホッとしている間も無く、チャイムが鳴った。玄関を開けるとお隣の奥さんが立っておられた。

私は木曜と思っていたが、この日は金曜日でヘルパーさんが来て下さっていたのだ。ヘルパーさんはチャイムを鳴らしても私が出ないので、お隣に聞きに行かれた。「急に留守にする時は必ずお隣に断って置くから」とヘルパーさんに言ってある。

40年近く、ご両親の代からの隣同士なので、ご迷惑とは思いながら、お隣の方には”私の家への入り方”を覚えていただいてある。ヘルパーさんが帰られた後、ご夫婦で私が何処かで倒れていないかと「2階まで行って全部探しました」と言われた。

散らかり放題の家の中を見て頂いても、有難いと思うだけで、一向に気にならないのだが、私の頭の中の木曜日はいつの間にか無くなっており、木曜日と思ったのが金曜日であり、お隣さんや大勢の方にご迷惑をかけてしまった。

まず、方々に問い合わせをして頂いた訪問介護所に謝りの電話を入れた。

長男の連れ合いの勤務先にも電話があったと言って、夕方息子から電話が来た。日曜日に長男は私の保護者となって、いつの間にかお隣に謝りに行っていた。

後でどうしてこんな事になったかと考えると、いつも火曜に来られるヘルパーさんが、其の週は都合で水曜日に来られ、次の金曜との間がいつものように2日で無く1日だった。いつかシニアネットで年をとると時間が早く過ぎるという話が載っていた。

本を読むと、年寄りへの”ぼけ検査”では「今日は何月何日で何曜日ですか」と聞くと書いてあったが、私も最近は日付けや曜日があやしくなり、新聞で確認したりしている。年の割りには、しっかりしていると言われることがあるが、それは私の全体の中のほんの一部の現象に過ぎず、 本当は要注意の中にどっぷり浸かっているのをいつも自覚していなくてはならない。
これからは出かける時に、荷物が重くなるからと敬遠していた携帯電話を持つ事にした。

H16/07

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