通り道

朝、九時少し前に眼を覚ました。「今日は晴れで暑くなりそうだ。さて、今日の朝ご飯はなんにしょうか。そうそう、昨日の夕飯に作った、ポテトサラダが残っていた、パンもあるし・・・」と考えながらパジャマ姿で雨戸を開けていると、玄関のチャイムが鳴る。少しあわてて「どなたですか」と聞くと、Mですとヘルパーさんの声がした。

 今日は金曜日で、ヘルパーさんに手伝ってもらう日だが、すっかり忘れていた。昨晩は夜十時からのNHKの氷川きよしの歌や料理の番組を見ていて、今日は木曜日と、しっかり認識していたのに、翌日は金曜日、の意識がなかった。もう十年以上も続いているのにすっかり頭から抜けていたなんて・・・。ヘルパーさんは平気な顔をしているが、私は自分に言い訳のしょうがない。



午後からランド駅付近に買い物に行く。ランド駅の方が生田駅よりずっと近いが途中に七十段くらいの急な階段がある。昔は専らこのコースで往復していたが、今は通らない。なだらかな坂道で、駅前にタクシー乗り場がある生田駅ばかりになった。この日は家の前で畑をしているIさんが、入院、手術をされたので、階段そばのI家に寄りお見舞いを届ける。

階段を降り、ランド駅の周辺で買い物をしたあと、いつも駅前で客待ちしているタクシーが今日はいない。こんな時、普段は電話でタクシーを呼ぶが、たまには歩いてみようかと買物した荷物を持ってゆっくりと歩き出した。難所の急階段の所まで来て、手すりを頼りながら一段一段、足と荷物とカートを交互に持ち上げながら上る。三分の一位上った所でへばり、限界を感じて暫く休憩。タクシーを呼ばなかったことを後悔していると、下から男の学生らしい若者が上ってきた。「荷物を階段の上まで運んで」と頼むと、いとも簡単に軽々と持ち上げ運んでくれた。 

家の前まで帰ってくると、Iさんの畑の葱を近くに住むSさんが消毒している。天道虫がいっぱい付いているそうだ。老人会で親しくしているので、立ち話をする。

まあ、出来ることはやって、楽に流されないようにしょう。

H20/07

 

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