お正月

 夫のいたときと同じように、今年も元旦の夕方、家に息子達が集った。次男の嫁とその次女は都合で来られないが、昨年、結婚した長男の娘の相手、Hさんが増えたので九人となり、それに次男の家の犬一匹が加わる。車で一緒に来た犬が、玄関でワンと吠えて上がってきたとき、お留守番でなくてよかったね、と、ほっとした気分になる。いつもは殆ど留守番らしい。

 孫娘五人の年が近いので、小さいときは福引や、ゲームなどして騒いでいたが、もう皆すっかり社会人になった。家にはいって、すぐ椅子に腰掛けてくつろいでいる。私は長老なので、お正月くらい、家に来た者は先ず日本間にある神壇にお参りするようにと指図する。



 ご馳走はいつも嫁が作ってくるのに任せているが、心配で私が少し暮れに買う既製の料理はいつも殆ど残る。だんだん簡単になり、二年前から出前寿司で補うので、大分台所仕事が楽になったようだ。

 孫の持ってきたケーキを皆で分けて賞味したあと、ゲームのWii(ウイー)スポーツを持参してきていた孫達がそれを始めた。暫く見ていた私も四人の仲間入りして、ボーリングをする。「リモコンを握って、下方のボタンの指を外しながら前に振る」と教えられるが頭と手が全然連動せず、何回もやり直し。やっとよろよろと出て行った玉が皆の予想に反してストライクを取った時には周りから拍手がおこる。

 食事時、犬は隣のこたつ部屋にいたが、おとなしく、皆のいる部屋に連れてきても、困ることが無かった。太りすぎなので何もやらないでと言われたが、折角正月にきたのだからと、林檎を少しやった。

かねて考えていたように、皆の帰りがけに居間の家具の配置替えをして貰う。ぎっくり腰の声を聞く中年息子二人の中に、若い男手、Hさんが一員に加わったのは心強い。無事一年が始まった。
 
H20/02

 

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