昔の仲間


新宿小田急の14階のレストラン風月堂で、今年も「絵とR会lがあった。昔、遊び半分に通った絵の仲間だが、小松澄佳先生がなくなられたあと、一年に一度はグループ食事会をして十年以上となる。集まったのは五人。私と八十歳のAさん、それに七十歳のBさんとCさん、六十台のDさん。年ごとに親しい同年輩の友人が減って寂しくなってゆくのでこんなお誘いは嬉しい。

一昨年は勉強好きなAさんから、放送大学の人たちと「大正期中国見聞録」を読んで作った「中国見たまま」という立派な装丁本、昨年B さんからは、チリ、アルゼンチンに旅行した時のことを書いた彼女のペン画入りの旅行記をいただいた。

Cさんは、同居する共稼ぎの娘さん夫婦を助けて、おさんどん役と卓球の日々。昨年、会で優勝して貰ったペンダント風になったメダルを首に掛けていた。Dさんはご主人の勤める大学で、若い人には人気の無いそうな試験管洗いのパートをしている。六十代七十代の女性は今の私から見ると本当に元気で若い。



話しは尽きず、階下の喫茶店に入り直して時を過ごした。自家製の夏みかんのママレード二瓶と、Bさん自作の絵葉書セットを頂いて帰った。


限界

少し持っている株券が公開買い付けになると、分厚い封書が届いた。同じ様な文面のものが以前にも届いている。ある商社の買い取りたい事情、買取り価格を決めたそのなりゆきが詳しく、丁寧に書いてあるものだ。今回の封書も、斜めにサッと読んだが、私には前と同じ繰り返しの説明のように思った。しかし、受け取った私が具体的にどんなことをしてどんな経過をたどるのか、よくわからない。

仲立ちをする証券会社の名が新百合駅北口にあるのをみて、説明を聞こうとその証券会社に出かけた。順番が来て私の番になる。もたもたと喋っている私と違って、相手をしてくれた若い女性係員のきびきびとした態度に、世の中の動きと大分ずれている自分の姿がみえてきた。

そこでいわれるまま口座をつくり、次に女性に連絡事項を書いてもらった紙を手にして、南口のN証券に行った。ここでも何回も聞き返し、曖昧な受け答えをしている自分がいる。一人住まいでがんばるといっても、もうこんな用事は限界があると思いながら帰宅した。
 

H21/08

 

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