メール

昨年、ピースボートで旅行をした次男の娘が今年も十一月末から海外旅行をしている。派遣社員なのを良いことに、正月過ぎまでアジアを旅行して回るという。働いた貯金でまかなう質素な旅行らしいが、今勉強している英語の会話力も試したいようだ。

こんな二十三歳の娘が一人で気侭に旅行するなんて、危なくて、私の感覚ではとてもついてゆけないが、長男の二人の娘たちも、勤めて稼いでいるままにヨーロッパは勿論メキシコ、ブラジル辺りまでツアーでなく勝手に足をのばしているので、こんな世の中になったのだと、心配しないことにしている。

この孫とは普段は何か集りのある時しか会わないが、昨日私のパソコンに珍しく旅行中からのメールが入った。中国、香港、マカオを回って今ベトナムの、ニャチャンという小さなビーチリゾートにいるが、これからホーチミンに向うという。色が黒くなってベトナム人に間違えられるとか、暑くてお天気がいいのでこれから泳ぎに行くつもりとか書かれている。

外国から、葉書でなく、メールを貰うのは初めてなので私も早速メールの返信を書いた。

その前日の十二月二十日、私はひまわり倶楽部の日帰りバス旅行に参加している。昼近く集合して先ず六本木に行った。街は何処もクリスマスの歌や飾りに溢れている。ヒルズの展望台にいって東京付近の全景を眺めた。四囲、ビル又ビルの風景の中に、やはり赤い東京タワーが目立っている。ヒルズの森美術館で絵画をみてから、外に出て、昔の六本木とはすっかり変ってしまった空高くそそり立つビル街を眺め、ビルの中に埋もれるようにして在る小さな毛利庭園の池の周りを歩く。

次に竹芝桟橋に行き、サンセットクルーズに乗る。夜のお台場付近やレインボウブリッジに点る歳末の光の風景を見ながら船中で食事や会話を楽しんで二時間を過ごした。



こんな私の日帰り旅行の様子を書いているうち、元気だった十五年まえ、私が十二月末に、ギリシャ、トルコ、エジプト方面、十三日間のツアー旅行したとき、正月過ぎまで、行く先々でサンタクロースやクリスマスの歌が迎えてくれたのを思い出した。

エジプトのナイル川で夏服を着て遊んだ夜も、ベッドの枕元にキラキラした赤と金で織られたお菓子入りの靴下が置いてあった。この靴下は大事にして家に飾ってあるが、いまだ光を失っていない。

年末のアジアの国ではどんな様子かしら、と書いて孫にメールを出したら、すぐメールの返信が届いた。あちらでもやはりクリスマスツリーが綺麗に飾られ、クリスマスソングがやたら流れているそうで、この点は日本と同じらしい。

「たまにはそちらの様子も聞かせてね」とあるので、近いうちに又メールを書くつもりでいる。

新しく見る国でわくわくして過ごしている若者の気持に触れながら、私には今の体力なりにやりたいことをしながら暮らして行けてよかったと思うこの頃である。

H20/01

 


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