カレーパン


近くのスーパーで有名メーカーのカレーパンを買った。食べ始めると何となく、口当たりがもってりしている。しげしげ見ると、中のカレーとパンの境がどうみても2ミリ位白く、生のように見える。若い人ならば何にも感じないですぐ平らげてしまう処なんだろうが、と思いながらパンの袋を見ると
(お客様相談室)の文字が目に入った。電話番号が書いてある。この位は製品として許容範囲なのかもしれないけれど、と迷いながらも思いきって電話をかけた。



簡単に事情を聞いてすぐ「すみません。明日お詫びに伺います」と言う言葉が返ってきた。店としては普通の品なのかもしれないのに、と迷いながら、聞かれるままに住所を言った。

翌日午後、30代の男性が「遅くなりました」と言って訪ねて来られた。湘南の工場から2時間位かかったはず。「正常のものか、欠陥品か良くわからないけど」と言って、半分残っているカレーパンを見せると,じっと眺めて「やはりこれは良くないです。カレーは冷凍したものを使うのでこうなったのかも知れません。」と言われる。カレーパン代126円に加えてクッキーの箱を頂いた。

クレームをつけたものの、彼は私の話に合わせてくれただけだったのではないか、という思いが心に残る。一週間ほどして、そのメーカーと他のメーカーのカレーパンを1個ずつ買って試食する。両方ともカレーの際まで綺麗にパンになっていたので、やっと気持ちが収まった。


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