ゲームボーイ(ニンテンドーDS)



一日延ばしにしていた美容院にやっと出かけた。ここは夫婦で店をやっている。いつもの様にカットしてから髪を染める。染めなければ真っ白である。友人達の髪を見ると、白くなった髪は、とても上品で素敵である。しかし、今まで染め続けている髪を白くすると,鏡で見たとき、もろに出る自分のおばあさん顔に、自分が元気を失うのではないかと自分で心配して、又染める。

洗髪台に寝て、染めた髪を洗って貰っていると、この美容院の小さい女の子が、にこにこと笑いながら足もとにきた。見ると銀色の四角なものと、小さな棒を持っている。じっと傍に立って私の洗髪の終わりを待っているようだ。
私の頭を洗っている美容師のお父さんが言う。「ゲームボーイの、(脳を鍛える大人のトレーニング)知っていますか」 「いいえ、全然」「発売されたばかりで、今テレビで宣伝やってます。僕も毎日やっているけれど面白いですよ。短い時間で出来るんです」
洗髪で斜めに寝ていた椅子からやっと起き上がり、腰を痛めてからよろめきそうな体に手を添えて貰って、鏡の前の椅子まで歩く。



女の子がすぐ寄ってきて、黙ってゲームボーイと棒を渡された。直ちにゲーム動きだし、あまり意味がわからないまま、8+5=とか6x9=とか書かれた画面を見て反射的に答えを書いてゆく。簡単なので間違えるはずが無い思うのに、集中力が途切れて幾つか間違え、書き直す。最後の画面に20題で51秒、と出た。「初めてだからこんなものですよ。何回もやるとグラフが出て、自分の成績の伸びる様子が分かります。ほかに記憶力や瞬間判断など、いろいろなテストの種類があるんです。Mさんにはこのゲームは似合っている様な気がするんだけど」孫が小さい時、任天堂のゲーム機を買って、私の方がマリオにはまった時があった。以前、本屋で「大人の計算ドリル」を買ってきたが、これは1ページもやる気の起きない儘、何処かにしまい込んである。

翌日、ヨドバシカメラに行きゲームボーイを買う。自信なさそうな私に、販売員が早速初期設定をしてくれた。
いつも、ゲームボーイをテーブルの上に出して置き、今のところ、3日休んだだけで1ヶ月余り続いている。成績が上がると、画面の先生がワンパターンながら、褒めてくれる。ゲームを何種類かやるので10分から20分位かかる。

気ままに暮らしている日々の中で、昨日の自分と競争している緊張のひとときは、貴重かもしれない。

H17/07

 

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