エッセイ教室




五年前、体力的に無理になって大正琴を辞めた時、行き慣れている新ゆり産経学園に、又通いたいので何をはじめようかと迷った。
 昔、文章が得意だった覚えは全くないが、学園の案内書を見て「初めてのエッセイ」の、初めて、という字にひかれて、先ずは見学をした。

其の部屋に入ると、六十歳くらいの女性の先生を中心に、十一人の人が席についていた。七十歳ほどの男性が二人いる。順番に自分の書いてきた作文を朗読していた。
前もって他の人は、皆の原稿を送って貰って読んでいるので、ここの部分が意味不明とか、前後が逆のほうがいいのではないか、等の意見がでる。そのうち関連した話題からぐっと外れて、全く関係にない話にまで発展して、どっと笑いが起きる。見学者の私も感想を聞かれた。



こんな気楽そうな会なら入ってもいいと思ったが。どう見ても五十歳から七十歳くらいの集まりに見える。「私八十一歳なんですけれど、若い皆さんに混じっても付いてゆけないかも」と言うと、中の一人が自分を指さして、私の方が上ですよ、と言う。聞けば私より三才上の方と判ったので、嬉しくて、其の日、すぐ教室に申し込んだ。私は運が良かったが、定員があるので、欠員がなくては入れない。
月一回の教室が終わったあと、都合のいい人は喫茶店で雑談をする習慣があり、これは若い人達と話す貴重な時間である。
三才上の0さんは昔教職に就かれていたが、私より心身共に、はるかに元気だ。偶然家が近く、帰りは一緒のタクシーに乗って帰る。

 
H23/02

 

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