江の島へ

四月終り、友人Aさんと急に思い立って江の島に行った。江の島に行くのは十数年ぶりとなる。私たちは東京に育ったので遠足に行ったり、子供を連れて海水浴をしたりして、何となく懐かしい感じの場所である。

当日、十時半、友人と小田急線江の島駅で待ち合わせる。江の島へと続く、長い弁天橋を渡っていると、もう江の島から、帰ってくる外国人観光団体客とすれ違う。海の景色を眺めながら対岸の商店街になっている参道に着く。少し歩いてエスカー乗り場へ向う。

階段に苦労すること無く、すぐ江の島神社(海の守護神、女神)に着いた。神社の正面に、茅で出来た大きな輪があった。くぐってからお参りすると良いことがありそうなので、輪をくぐって参拝する。



色彩豊かに咲いている花壇をみてから、またエスカー二つを乗り継いで、江の島展望灯台へ着く。昔花畑や温室だった展望灯台の周りは、さっぱりと整備され、サムエル・コッキング苑(明治時代初めてこの地に庭園を作った英国貿易商の名)となっていた。以前は苦労して、らせん状の外階段を昇ったが、五年前新しくなった近代的な展望灯台(海抜119,6メートル)は、エレベーターで一気に展望台に上がる。鎌倉逗子の街並み、漁船やヨットの浮かぶ広い海の四囲を眺める。とんびが数羽大きく空を舞っていた。

若い頃、部屋借りをしていた葉山の高台にあった大きな家は、その後料亭となったが、そこに最近大きなマンションが建ったと聞いている。目を凝らし葉山の鐙摺辺りをみたが、かすんでいてわからなかった。葉山から江ノ島を毎日みていたので、景色の見えるすばらしいマンションが出来たのだろうと想像する。

海辺にある岩屋(洞窟。弘法大師や日蓮上人が修行、源頼朝が戦勝祈願。)まで降りて連絡船で対岸に帰ることも考えていたが、今日は船が出ないそうなので、やめた。

展望灯台で帰りの道を聞き、お饅頭屋さんの前にある階段の無い道を降り、楽に歩いて商店街にもどる。当てにしていた店が休みで、残念だったが、適当に選んで昼食にする。その後、近くの店でココアを飲んだがその甘みがとても美味しく感じられた。

商店街から海に添ってヨットハーバーの方に歩いてゆくと、かながわ女性センターの大きな建物が見えてきた。二十年程前、仕事でここに度々来ているので、友人を案内がてら寄って館内を一回りする。図書館で男性二人が勉強していた。

帰りは橋のたもとからバスで弁天橋を渡り、江ノ島駅に着く。都合よく特急電車が来て、一時間後には疲れもせず家に着いた。
 
H20/05

 

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