出かける


先月は初めに円楽襲名公演、次に春秋苑「公園墓地」ホールでの五木寛之の講演会、月末には新宿御苑に行った、

円楽襲名公演
四月の初め、友人と新百合の麻生文化センターに行く。日曜日夕方のテレビの「笑点」は好きなので昔からよく見ている。この日の出演者は円楽のほか、歌丸、昇太、たい平、で、すっかりおなじみの顔である。チッケトを買うのが遅かったので、二階の端席だったが、階段が眼の前にあり、素早く行動できない私たちには安心感のある最高の席だった。

たい平が司会をして、まずを明るく気持ちよく笑わせ、流れをつくる。昇太もテレビで見るのと同様元気がいい。歌丸、円楽と次々と挨拶や落語が続いた。どの人も、この館内の大勢の人たちを一人で相手し、堂々と品の悪くない笑いとっている。この能力を身につけるのに大変な修行があったはずで、それぞれにたいした人達だと感心しながらみる。帰りがけに、仮店で、笑点メンバーの顔をした人形焼を買った

五木寛之講演会
講演会の日はちょうど桜の真っ盛りの日だった。時間よりはやく着いたので、春秋苑の鐘楼のある小高い見晴らし台に行く。天気もよく、桜の花が満開で美しく、松を交えたその絵に描いたような景色に暫くみとれていた。敷物を敷いて、家族でお花見をしている人達もいる。ここははるか遠くの東京のビルまでみえる。

五木寛之の講演は「なぜ今親鸞か」と言う題だった。先ず、今日眺めた桜のきれいなこと、さくらに対する日本人の感性、から話がはじまる。このところ毎年ここで五木寛之の講演を聞いているが、いつもながら、話し上手で、わかり易く、なるほどと思う。面白くて理解したつもりで聴いていたが、今考えると、法然と親鸞の教えを蓮如が広めたというあたりとか、去年とも、また来年とも違う、今の、瞬間、瞬間の時を大事に過ごすように、と言われたことしか頭に出てこない。大勢の人の中で普段とは少し違う、緊張した時間を過ごした。



新宿御苑
四月二十一日、寒さの続いた中で、一日だけ暖かく晴れるというニユースを聞いて、前日、友人のBさんと急に新宿御苑行くことにした。御苑の八重桜をみるのは三年ぶりになる。

好天気なので、薄着姿で大勢の人が出ていた。御苑の中の地図は大体知ってっているので、池を中心に、池から離れたり寄ったりしながら東から西へ大きく回る。完璧に手入れをされ、神々しい感じもする御苑の中を、二人のペースのままにゆっくり歩く。老人だけのコンビは気を使わずとても気が楽だ。

どの位の年数が経ているのか、風格の滲む太い幹を中心に、ピンクや白の八重桜の枝がびっしりと広がっているその姿は本当に見事だ。何回も、感嘆の声をあげて足を止める。花の下で、家族や友人同士の集まりが敷物を広げ、花見をしている。今まで立ち寄ったことの無い、旧御涼亭にもゆき、小高い建物の中から、辺りの全景を眺めた。

杖をつきながら、一人で歩いている私達のような老人に幾人も出会った。仲間なので、すぐ目にはいる。ベンチはあちらこちらに置いてあるが、大抵先客がいて、なかなか思うようにベンチに座れない。若い人のように、膝を曲げて地面に座れないので、仕方なく大きな木の根っこに無理をして腰掛けてその場をしのぐ。

この頃はいろいろな所に備えられたエスカレーターやエレベーターに助けられて老人が外出できるのは有り難いが、こんな公園でも、電車の優先席のように、老人を優先としたベンチが欲しい、と虫のいいことを考えていた。

今まで友人達と行った御苑の帰りは、伊勢丹前の大通りを歩いて、新宿駅近くの中村屋本店でカレーの食事をするか、その傍の高野フルーツ店でお茶をするのがコースになっている。この日も当然のように歩いたが、慣れているはずの道なのに、歩いても歩いても中村屋にたどりつかず、あっさりタクシーで移動しなかったのを後悔した。

 
H22/05

 

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