デイサービス


 私の都合で、二月の半ばから四月いっぱい横浜の次男の家と、鷺沼の長男の家に行っていた。両方ともマンションなので、私にはそこのお風呂が苦手である。若者のように、シャワーだけでは物足りないし、風呂に入るのには私の家のような手摺がなく不安である。
そこで今まで行った事の無いデイサービスに行ってお風呂に入ることにした。私の地域移動と共にデイサービスの場所が変わり三ヵ所になった。

一つ目は大手の会社の経営で五十人くらい集まる。朝八時半ころ、マンションの四階の玄関までそこのヘルパーさんが迎えに来て下さる。車椅子の方など遠回りの家に寄って、一時間近くかかる時もある。



デイサービスを受ける場所に着き、まずお風呂のときの換え下着や、歯磨きブラッシなどを預け、二人から四人に用意されたテーブルにつく。常連らしい人を除くと、殆ど会話がなく、無口である。私はなるべく話しかけるように努めた。
軽い体操は一日三回くらいあり、ゲームをしたり、合唱をしたりして四時過ぎまで過ごす。

お風呂は次々と順番に呼ばれ、オートメーションの流れに乗ったように、数人の男女ヘルパーさんの手助けで服を脱ぎ、風呂場で順々に頭や体を洗ってもらい、大きな湯船に入って温まってから上がる。又ヘルパーさんの手助けを受けて、手早く、服と着て、場所を移動、髪をブローしてもらってから歯磨きをしたり口をすすいだりする。

二番目のところは小規模で、ここにきているのは十数人。土地の方の経営らしく、全体が気楽そうな言葉づかいで話している。この中の五、六人は一日中椅子に腰掛けてあまり動かず黙って寝ているだけにみえる。ベッドで一日中寝ている人もいる。ここでは頼めば個人的に夕飯の面倒もみてくれるそうで、夜遅いお勤めの家族の方には本当に助かっているだろうと思った。

三番目のところは三十人くらい集まる。お風呂の洗い手は他と同じく男性。足元の危ない老人を扱うのだから、力の強い男性のほうがいいのだろう。ここでは習字のお稽古があったので、久しぶりに用意された筆を持った。

デイサービスは昼食代などのお金がかかるので、行かないという人もいるが、昔の年寄りを考えると、私たちは随分社会からの恩恵を蒙りながら老いの時をすごしていると思う。



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