ある日の午後

5月末マリアンナ大の整形に3ヶ月毎の定期検診に行く。、一度骨折すると、又一年以内に骨折する人が多いのに無事なのは2年半前から飲んでいる新薬の効果かもしれない、と言われる。

昼食は病院の8階にある食堂へ行く。窓からは病院を囲む周りの景色がよく見渡せる。遠くの丘陵地帯は家々の間にまだ竹林が残り浅緑を増した竹が重そうに風になびいている。斜面に作られた学校の運動場では中学生達のテニスをしている姿が豆粒のように見える。

お天気が良いので帰りは新百合ヶ丘駅の方へ行くバスに乗った。途中のバス停近くにある、名前だけ知っている評判の洋菓子店に寄ることにした。この辺りは新しい街なので、道幅がぐっと広く、街路樹が植えられ、家々に添った生垣の緑が綺麗だ。

洋菓子店はしゃれた造りだが、私には不向きな石畳の階段を登ったその上にあった。手に持っているカートを引いてやっと店内に入ると、中は女のお客さんで一杯である。



出来たての洋菓子をはじめ、クッキー、ジャム、などが店一杯に並び、色が華やかで空気が甘く、何となくウキウキした気分になる。美味しそうなので自分史を頂いた方に品を選んでお祝いを送る。私もお味見する為に幾つか買った。初めてのお店なのでまごまごしていると、売り場の女の子が気を利かせて遠くから声をかけてくれたのは助かった。

又バスに乗り新百合ヶ丘に行く。小田急の電車に乗ったが、席が無いのでドアの横に立っていた。一つ目の駅に停まった時「事故のため15分程このまま停車します」と、アナウンスがあった。困った、と思っていると斜めの席に座ってい20歳位の女の子がさっと席を立った。

どうも私に座るようにと立ったらしいと思ったので、「有り難う」と声を出して座る。その後女の子を様子を見ていると扉の所に立ったまま降りる気配が無い。この頃は席を譲られることが多くなった。

何年か前までは、友人間で、「未だ席を譲られたことが無い」とか、「髪を染めずに白いままにしたら、席を譲られるようになった」とか若さを確かめるような会話もあったが、この歳になると譲られれば、素直に嬉しい。

降車駅に着いて、タクシー乗り場に行く。ついこの間まであったお寿司やさんがシャッターを下ろしている。駅前にスーパーが出来てから見慣れた店が次々と姿を消してゆく。

H17/06

 

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