9月29日(木)
2日程前から急に涼しくなった。お隣のHさんから箱根みやげの御菓子を頂く。定年を過ぎて、愛知博をはじめ、毎月のように旅行されている。留守中、用があったら二階に居る息子さんへ声をかけるよう、いつも断わりがある。

9月30日(金)
夕方、玄関を出ると丁度、角のAさんの奥さんが犬の散歩から帰って来られたところに会った。私の家の辺りは車が少ないので、よく散歩中の犬が通る。
近頃、ご近所のBさんの家のゴールデンリトリバー(8歳)を見かけないので、Aさんに様子を聞くと、なくなっていた。人間の食事も加えてやっていたら、塩分が多くて弱ってしまったとか。
この犬は貰われてきた時から知っている。飼い主Bさんの奥さんのお供で私の家に来ると、長い雑談中も玄関の中で何分でもおとなしく座って待っている。自分の家の垣根から遠くに私の姿を見つけると、ワンワンと声をあげた。傍に行くと尾を振っていた。



10月1日(土)
大した用事はないが、一人で新宿に行く。近頃、こんな私のような仲間が多くなった。近場なら、まだ行けるので機会があればなるべく出かけたい。

10月2日(日)
友人が面白いからと貸してくれた桐野夏生と重松清の本。やっと手をつける。

10月3日(月)
去年3月のH・Pに書いた電話の中で何回も「わたしは今何歳」と、聞いていた同級生は、家をたたみ、お姉さんと一緒に老人施設に入られた。

代わって、今はやはり学校時代の同級生のYさんから延々と被害妄想の電話がかかる。息子さん二人は医者だが、彼女は都心の広い屋敷に一人で住んでいる。どちらの息子さんとも同居が叶わず、寂しいのと夜が怖いので、その家に関係する他人は皆、セコムの人まで、泥棒、または泥棒予備軍となっている。

数年前から長男さんは遠くから来て毎週30分ほど顔を出されているが、そのままである。泥棒の「ド」と言っただけで「聞きたくない」と横を向かれるとか。

近頃は彼女の姉妹にも電話を拒否され、私への電話が最後の砦となっているらしい。電話拒否の設定をすればいいのだが、昔の牡丹の花が咲いたようだった明るい顔を思い出すと、信用されているのだからもう暫く、私の時間をあげようかと思う。

10月4日(火)
ヘルパーの方が午前の2時間来て下さる。お風呂掃除と入浴の見守りが、私には一番は有り難い。鳥手羽の塩焼きと茄子の素揚げを作っていただく。

10月5日(水)
戸棚を整理していると、平13年に田園都市病院で「老人医療勉強会」に行った時に頂いた資料のファイルが出てた。私の様な者でも来て良いといわれ、勉強会や音楽会に数回参加させて頂いた。背中一杯の大きな柄の、アロハのようなシャツ姿で、まだ一部しか植木の無いガランとした屋上庭園を案内して下さった椎名先生を思い出す。

「痴呆性高齢者への具体的な接し方」のパンフレットと、何枚ものコピーされた資料が出てきたので改めて読む。4年前は、他人事として見ていたが、最近の自分の体力の衰えに加えて、物忘れのひどくなったのを思うと自分の問題である。己の姿が自覚出来なくなるのはのは恐ろしい。

H17/10

 

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