五月の一日


狛江のY さんから電話があり、昨日テレビで神代植物園の薔薇園がちょうど見ごろと出ていたので、二十五日は天気がよさそうなので見に行きましょうと誘われた。息子さんが車で連れて行ってくださるので、楽にゆける。

翌日、家まで迎えにきてくれたYさんの息子さんの車に乗って三人で出かけた。息子さんは前日、道順を下調べされたそうだ。

神代植物園や深大寺辺りに行った時は、先ず名物のおそばを食べるのが習慣になっている。蕎麦やの駐車場はどこもいっぱいだったが、探して湧水という蕎麦屋に入る。限定湧水てんぷら蕎麦、を注文した。これはとても美味しかった。蕎麦は硬めでうでてあり、てんぷらもからりと揚がり、家にいては、食べられない味だ。ついおみやげ用に売っている干し蕎麦も買った。

神代植物園の前までいって、月曜休園の文字をみる。Yさんも私もパソコンで見ればすぐ調べられたのに。



気を取り直して隣にある深大寺にゆきお参りをする。Yさんの家は宗派が同じなので階段を上がって元三大師堂にも行かれたが私は無理しないで下で待っていた。昨夜の雨で木々の緑が輝いてきれいだ。境内の池のほとりで橙色や白、黒の鯉がおよぐのを眺める。人の姿に期待して寄ってくるので、本当は餌を投げてやりたい。茶店に寄り、暖かいお饅頭を食べてから息子さんの車で帰途につく。

生田の私の家に着き、お互いのデジカメの中に入っている写真をテレビに大きく写してみた。私が通信販売で買った洋服を気に入ってYさんが追加注文したり、息子さんに夕食のお弁当を買ってきて貰ったりして、三人で八時ごろまで過ごす。身内以外、夜まで家に客がいることはないのに、このYさん達は特別だ。

Yさんとは新宿の書道教室で知り合った。Yさんのご主人が六十歳すぎで急に亡くなられて、Yさんが腑抜けのようになって立直れない時、一緒に小田急線で帰る電車の中で私と交わした雑談に、とても救われたと、今でも繰り返し有難がってくれるが、私はただ普通のことを喋っていただけで全く意識がない。房総半島の突端に生まれたYさんと東京生まれの私が、八十才半ばで家を行き来しているなんて、不思議な縁だ。
 
H21/06

 

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