川崎大師



二月の初め、ホームで希望者を川崎大師に連れて行って下さるというので、仲間に入れていただいた。

以前、川崎市に住んでおり、子ども達の小さい時、家族で川崎大師にいったことあるので大体の様子は分かっている。この日はホームの中の、杖で普通に歩ける男女六人と、車椅子の方ひとり、運転手さんと、介護してくださる方男女二人の方と一緒に、ホーム名入りの車に乗った。

大本山川崎大師平間寺に着く。前と雰囲気は変わらず、何かほっとするものがある。寺の階段は避け、歩き易いスロープを選ぶ。祭壇の正面に行き、お賽銭をあげ、仏様に手を合わせる。おみくじを引くと「末吉」。今のままでもいいが、この先、もっと良いことがあるのかもしれない。お守りも買った。出口の辺りに、普段は関心のない冊子「平成二十六年川崎大師厄除け暦」が置いてあり、私が手に取ると、傍にいる係りの方がどうぞお持ちくださいといわれるので、いただいてきた。中を見ると、今年は「皇紀二千六百七十四年」と皇紀が書いてある。「紀元は二千六百年」の歌を歌って、母や従兄弟たちと一緒に、宮城で日の丸を振って万歳、万歳とお祝いした日を思い出した。あれから七十四年も経っている。
 


お参りを終え、寺の前に連なる仲見世にゆく。名物の葛餅や、や、お煎餅や、だるまやさんなど、店をのぞきながら歩く。お土産は日持ちのするお煎餅が人気だった。途中甘酒やさんに寄り、腰掛け、ゆっくりと全員で甘酒をいただいた。疲れているので美味しい。

店の奥に若いお父さんと一緒にお座りしている女の子がいた。私には十一月に産まれたひ孫がいるが、似ていて、丸顔でとても可愛い。大きくてしっかりしているので何月生まれか、と聞くと五月うまれだそうである。何時もお店にいるせいか、次々と他人の客に抱かれても、嫌がったり、泣いたりせず平気である。来年同じ店に行ったら、今度は「いらっちゃいませ」なんて言っているのではないか、と想像した。

またホームの車に乗って帰る。明日から大雪と聞いて、お天気に恵まれ、穏やかな一日を過せて幸運だった。



H26/03
 




 
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